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「加藤泉 LIKE A ROLLING SNOWBALL」原美術館の感想。汚れも苦しみもひっくるめて人生!

加藤泉の展覧会「LIKE A ROLLING SNOWBALL」原美術館

加藤泉 LIKE A ROLLING SNOWBALL」原美術館2019年

 原美術館(東京都品川区)の展覧会「加藤泉 LIKE A ROLLING SNOWBALL」が素晴らしかったです!

 

  • 未知との遭遇の驚き
  • 作品との近い距離
  • 作品数の(ちょうどいい)多さ
  • 作品とマッチした美術館の空間、等

 

全てが揃った充実の展覧会でした!

 

アートの醍醐味「作品に出会ったときの驚き」の連続で面白かったです。

 

ハラミュージアムアーク(群馬県渋川市)でも同時開催中!

 

人生は「LIKE A ROLLING SNOWBALL」

「加藤泉 LIKE A ROLLING SNOWBALL」原美術館のチラシ

加藤泉 LIKE A ROLLING SNOWBALL」原美術館チラシ

 展覧会タイトルは「LIKE A ROLLING SNOWBALL」=「人生は転がる雪球のようだ」。

  

加藤泉さんによるタイトルの説明によると、

 

雪球は土やゴミなどすべてをひっくるめて、汚れたり割れたりしながら回転していくが、遠くから見ればキレイな白い球体。

 

そして最後は水になり、土にかえる。

 

人生もすべてをひっくるめて回転していく。

 

加藤泉さんのタイトルに込められた意味を知って作品を観ると、とても強く優しい気持ちになりました!

 

無理をしてキレイに生きなくて良いんだ、と緊張が解ける感覚でした。 

 

生きる苦しみ

加藤泉の展覧会2019年「LIKE A ROLLING SNOWBALL」ハラミュージョアムアークのポスター

加藤泉 LIKE A ROLLING SNOWBALL」ハラ ミュージョアム アークチラシ

 加藤さんの作品パッと見はかなり不気味です。

 

左右の目が離れて視線が定まらないような表情がこわい。

 

手足に鎖を付けて石の重りで動けなくされているような作品では、生きる苦しみを感じました。

 

生きるよろこび

同時にカラフルな色や、赤ちゃんや家族がテーマの作品からは、秘めた可能性や、人間の幸せを感じました。

 

作品には木・石・ソフトビニール・ロープ・鎖・革?などの、さまざまな素材が使われいており、作品を鑑賞する楽しさがありました。

 

木の彫刻の体と石の顔を組み合わせた人形や、布を重ねてつなぎ合わせた巨大な作品、頭の上に連なるソフトビニールのフィギュアなど、

 

何がどのように制作されているのか、想像しながら見るのが面白かったです。

 

人間を超えた力

 展示室の窓から、外の庭に作品を見つけた時は驚きました!

 

木の幹と幹の間でこちらを監視しているのか、或いは見守ってくれているのか。

 

お地蔵さんのような、妖精のような、「もののけ姫」のこだまにも似ています。

 

人間の苦しみを癒して救ってくれるような存在かもしれません。

 

作品の存在感の強さは、顔つきのインパクトだけが理由ではない気がします。

 

加藤さんの作品から生きるパワーをたくさんもらいました!

 

加藤泉とは? バンド「THE TETORAPOTZ」(ザ テトラポッズ)


Izumi Kato: 'I'm Not the Type to Defend, I Prefer to Attack'

加藤泉さんの制作風景が見れます!

 

加藤泉さんは1969年島根県生まれ。東京と香港を拠点にしている画家・彫刻家・美術家です。

 

子どもが生まれたのをきっかけに自然と子どもの絵も描くようになったそうです。

 

上の動画では、手にビニール手袋をはめ、手で油絵を描いてます!

 

美しいグラデーションがこのように描かれていたとは驚きです。

 

楽家やサッカー選手になりたかったが、美術が向いていたのでアーティストになったというようなことを言っていますが、

 

現在「THE TETORAPOTZ」というアーティスト5人で結成されたバンドで、加藤さんはドラムを担当しています。

 

▼2017年のライブ映像。パワフルでかなり面白い


THE TETORAPOTZ - NEW SURF -

 

テトラポット型のマスクのようなものをかぶって船上でLIVE。

 

映像も美しく、海の青さが眩しい!

 

ホラ貝の音色がかなり効いてて面白いです。

 

ノイジーでパンクな雰囲気が加藤さんの作品同様、かなり攻めててカッコいいです。

 

原美術館は2020年12月末に閉館。その後は群馬県原美術館 ARC」へ

東京都品川区の原美術館
東京都品川区の原美術館の常設展示作品
原美術館(東京都品川区)2019年9月頃

原美術館2020年12月末で閉館してしまいます。

 

現在は2つの美術館で活動されていますが、原美術館閉館後は、群馬県にある「ハラミュージアムアーク」の名前を「原美術館 ARC」に改めて、1本化するようです。

 

閉館の要因は建物の老朽化で、建替えも難しいそうです。

 

原美術館は東京都内では珍しく緑に囲まれた閑静な住宅街で、現代アートを楽しめる美術館でした。

 

原美術館の展覧会は美術館自体も堪能できるのが良いところです。

 

曲線美の建物は階段も窓も美しく心が落ち着く空間です。

 

また自分で扉を開けて入る小さな展示室がいくつかあり、迷路のような雰囲気には邸宅の中を探検する楽しさがありました。

 

今回の加藤泉さんの展覧会では、原美術館の大小展示室や階段や庭などさまざまなスペースを活かしていて、加藤泉さんの作品と隠れんぼしているようでした。

 

原美術館の入り口の庭にある常設展示作品

原美術館

加藤泉さんの作品を見ながら、原美術館の閉館が寂しくて泣きました。

 

今までの感謝の気持ちでいっぱいです。

 

原美術館閉館の2020年の間にまだ数回の展覧会で行われると思うので、見逃さないように要チェックです。

 

そしてまだ行ったことがないハラミュージアムアークにも今後は行ってみたいと思います。

 

原美術館の入り口
原美術館の入り口の石のKEN作品
原美術館の入り口

 

展覧会情報

加藤泉 LIKE A ROLLING SNOWBALL」は、下記の2か所で同時開催中です。

 

①2019年8月10日~2020年1月13日  原美術館(東京都品川区)

②2019年7月13日~2020年1月13日  ハラミュージアムアーク(群馬県渋川市

 

原美術館にスタンプが設置されています(相互割引券)

加藤泉の展覧会の原美術館とハラミュージアムアークの相互割引チケット

原美術館・ハラミュージアムアーク相互割引券

入館時にもらえる相互割引券に館内設置のスタンプを押して、もう一方の美術館で提示すると、入場料が100円割引されるようです。

 

2つの美術館のスタンプを押すと一つのイメージが完成するとのこと。

 

加藤泉の作品集。青幻舎から2019年11月22日発売予定