映画「エル ELLE」は、スリリングで、エロティックで、コメディ要素もあり、後味も楽しめました。
物語が進むにつれて、期待を裏切られ続けられます!
突っ込まないお笑い芸人「ぺこぱ」と似ている気も?
映画「エル ELLE」常識を超えた新しい女性像?芸人ぺこぱとの共通点は?
スリリングなサスペンスですが、最後はコメディかと思いました!
主人公の女性ミシェル(イザベル・ユペール)のあり得ないしたたかさが、見ているこちらにとっては受け入れがたく、笑うしかないという感じ。
エロティックを超えて、猟奇的ともいえるシーンがあります。
覆面男に襲われたミシェルの身を心配して冷や冷やしながら観ていると、裏切られます。
なんと、ミシェル自身が危険な緊張感を楽しんでいるのです!!
もはや、覆面男より、それを楽しんでいるミシェルが怖ろしく感じてしまい、最後は覆面男に同情したりもします。
いやーびっくりです。この2人の男女はどうなっているんだ?
2人に限らず、ミシェルを取り巻く人物は皆、常識を超えた考えを持っているようです。
親友と、その夫と浮気したミシェルが、二人仲良く歩くシーンは、観ていてゾワッとしました。
意外な展開に、何度も「ねんでやねん!」と突っ込みました。
映画を観た後に、この感覚は何かに似ているぞ?と考えたところ、
突っ込まないお笑い芸人の「ぺこぱ」です!
ぺこぱは、普通なら突っ込みを入れるところを、突っ込まずに受け入れる「優しさ」があります。
もしかして、映画「エル ELLE」も優しさがあるのか?
確かに、困難を受け入れる優しさと強さがあります。
しかし何か違う。
「エル ELLE」の場合は、観る者には全然優しくない!
まるで「映画の登場人物のことを理解できるか?」と、挑戦を受けているようです。
この映画は、意外な展開が来るたびに「なんでやねん!」と笑える人、泣いたり感動したり、共感ばかりの映画に飽きている人におすすめです!
ただ、まじめな話、性暴力の被害を受けた主人公が、自分を見失わずに力強く生きていく姿は、たくましくてかっこいいです。
原作はフィリップ・ジャンの小説「oh...」
原作はフランスの作家、フィリップ・ジャンのサスペンス小説「oh...」。
日本では小説も「エル ELLE」というタイトルで出版されています。
14.5万部以上のベストセラーで、2012年にフランスの5大文学賞の1つのアンテラリエ賞を受賞。
フィリップ・ジャンは1949年パリ生まれ。
1985年に発表した小説「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」も映画化され世界中で話題となりました。
映画情報
「エル ELLE」
原題 Elle
公開 2017年8月25日(日本)
2016年製作/131分/PG12/フランス
監督 ポール・バーホーベン
原作 フィリップ・ジャン 小説「oh...」
出演 ザベル・ユペール、ロラン・ラフィット、アンヌ・コンシニ
受賞 第74回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞と最優秀外国語映画賞を受賞。第89回アカデミー賞で主演女優賞にノミネート。
ジャンル ドラマ、サスペンス
突っ込みどころ満載の女性に翻弄されます。
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