香取慎吾主演、白石和彌(かずや)監督の「凪待ち」を観てから半月が経ちました。
映画を観ている間も観終わってからも、ずっとモヤモヤしてうまく感想が出てきません。
頭の中に「何故?」が多すぎました。
以下、ネタバレありますので注意してください。
映画「凪待ち」は観て何を思えばいいのか?
何故?
殺したのか
震災に苦しめられるのか
いじめられるのか
ギャンブルにはまるのか
お酒がやめられないのか
お金を取られても一緒に暮らしていけるのか
車から降ろしてしまったのか
殺されなければならないのか
人の苦しみを理解できないのか
親切にしてくれるのか
人は一緒にいるのか
一番私が理解できないのは、何故郁男(香取慎吾役)は周りから愛されるのか?
確かに郁男は名前の通り、人の痛みが分かる温かくて優しい男です。
不登校の恋人の娘や、会社で嫌われてる同僚と仲良くするなど、良いところはあります。
しかし人のお金を使ってまでギャンブル(競輪)をするろくでなしです。
郁男がギャンブルとお酒に溺れていく姿は情けなくて見ていられません。
それなのに、郁男の周りに居る恋人・亜弓(西田尚美)やその娘・美波(恒松祐里)は郁男と一緒にいます。
亜弓の父・勝美(吉澤健)は自分の船を売って、郁男が一からやり直せるように、と何百万もの大金を渡します。
しかしその全ての金を郁男はギャンブルで失います。
本当に最悪です。
しまいには郁男を見放さない周りの人にもイライラします。
何故、郁男はギャンブルを止められないのか?
郁男がギャンブルに抵抗する姿をもっとしっかり描いて欲しかったです。
ギャンブルを止められない難しさを少しは理解したかったです。
簡単に誘惑に負けて借金してまでギャンブルを続ける郁男の姿に嫌気がさします。
映画の中の人達のようには郁男を好きになれず、映画に置いてきぼりでした。
郁男以外の登場人物は好きでした。
特に郁男の恋人の娘役・恒松祐里さんとその友達の男の子役・佐久本宝さんの演技が好きでした。
繊細で強くて優しくて美しかったです。
映画「凪待ち」はレビューの評価が高かったので、自分の感じ方がずれているのかもしれません。
映画.comのレビュー評価は4.1です。(2019年7月13日現在)
私の評価は2.5です。
サスペンス要素にはハラハラし、暴力の衝撃は映画的に楽しみましたが、郁男のダメっぷりに冷めてしまいました。
郁男役の香取慎吾さんの色気が凄く良い、という感想を目にしましたが、個人的にはあまり感じませんでした。
登場人物全員がつらい現実と闘っていてました。
人の愚かさと優しさが痛々しくて観ていて苦しい映画です。
現実に起きている問題、起こりうる問題を考えるきっかけになりました。
映画情報
「凪待ち」
2019年6月28日公開(日本)
124分
配給 キノフィルムズ
監督 白石和彌
脚本 加藤正人
出演 香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤健、音尾琢磨、リリー・フランキー、佐久本宝
▼脚本・加藤正人が小説化しました