物凄い映画でした!
なんと全編がゴッホの絵画(風のアニメーション)の映画です!
映画「ゴッホ 最期の手紙」の凄さ
恐ろしく手の込んだ映画でした。
というのも、映画全編が絵画で出来ているのです。
まるでゴッホが描いた油絵がそのままアニメーションになっていました。
驚きの制作方法はウィキペディアに載っています。
制作はグリーンスクリーンで実際にキャストに演じさせて開始された。撮影終了後、各フレームはキャンバス上に投影され、画家たちがそれに合わせて描画した。キャストの撮影から絵画の完成までの全過程には4年を要し
キャストの撮影から絵画の完成までに4年も要したとは!
私は今までにゴッホの絵をあまり見たことがありませんでしたが、この映画を観てゴッホのことをよく知れた気がします。
ゴッホが描いた景色、一緒に過ごした家族、友人、最期を迎えた町など、全てがゴッホの絵画の世界です。
ゴッホの死の謎を探る物語
ゴッホは何故37歳の若さで亡くなったのか?
自ら銃で腹を撃ったというのは事実なのか?
「ゴッホ 最期の手紙」は、ゴッホの死の謎を解くサスペンス映画です。
主人公の青年アルマンが、郵便配達人の父に1通の手紙を託されて、物語は始まります。
その手紙は1年前に自殺した画家フィンセント・ファン・ゴッホが弟テオに宛てた手紙でした。
アルマンは手紙を手にゴッホの死の真相を知るために、パリやオーヴェールの町を訪れて、ゴッホを知る人に取材をして回ります。
それぞれが言うことは食い違うことばかりでしたが、徐々に死の謎が解けていきます。
▼ゴッホと弟テオ(テオドル)の手紙は書籍化されています
ゴッホの手紙(下) テオドル宛 (岩波文庫) [ ヴィンセント・ファン・ゴッホ ]
「ゴッホの手紙 下」では、ゴーギャンと決別したアルル時代末期~死の直前までの手紙が収録されているようです。
ゴッホの孤独と情熱
ゴッホは幼少期に両親からの愛を感じずに育ったようです。
仕事面では画商や牧師をしても長く続かなかったそうです。
しかし画商の弟テオに援助してもらい、28歳から絵を学び37歳で亡くなるまでに、約860点の油絵を描いたといわれています!
驚くべき数です。
その情熱はどこからくるのか?
映画のエンディングに流れたゴッホの言葉にヒントがありました。
「作品で人々を感動させ
深く 優しく感じていると言われたい」
この言葉に涙しました。
ゴッホは優しくて繊細な心の持ち主だったのだと思います。
そして自分を信じる強い力を感じました。
生前には1枚の絵しか売れなかったと言われています。
それでも強い制作意欲で描き続けられたのは、絵画作品でのみ自分を表現できると信じていたからではないでしょうか。
ゴッホが長生きして、生きている間に作品が評価されていたら?
苦しまずに最期を迎えられたかもしれません。
ゴッホの死が本当に残念です。
この映画自体が芸術作品でした。
全編動く油絵という、新しいアート体験が出来ました!
多くの時間をかけて作られ、ゴッホの世界が凝縮されています。
正直、映画を観るまでは特別ゴッホが好きなわけではありませんでしたが、この映画を観た後はゴッホを好きにならざるを得ません。
これからもっと作品を観て、ゴッホの優しさを感じたいと思いました。
映画情報
2017年/イギリス・ポーランド/96分
原題 Loving Vincent
公開 2017年11月3日(日本)
配給 パルコ
出演 ダグラス・ブース(声:山田孝之)、
ジェローム・フリル(声:村治学)、
ロベルト・グラチーク(声:三宅健太)、
ヘレン・マックロリー(声:幸田直子)、
クリス・オダウド(声:イッセー尾形)、
シアーシャ・ローナン(声:伊藤かな恵)他
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